NIPTは新型出生前診断とも呼ばれ、妊婦の採血をするだけで胎児の疾患について調べることができる検査です。母子に負担やリスクがなく、簡単に検査をすることができることもあって、検査を受ける人の数は増加傾向にあります。
NIPTは母体の血液を調べることによって胎児のDNAを分析することができ、NIPTで分かる疾患とは染色体異常症と呼ばれる染色体に何かしらの異常があって引き起こされる病気があるかどうかです。
では、NIPTを受けて知的障害があるかどうかは分からないのでしょうか?
知的障害とは
知的障害とは発達障害の1つで、知的機能の障害が18歳までにあらわれ、日常生活や社会生活への適応能力が低く日常生活に支障が生じ、支援が必要な状態にあることをいいます。
程度には差が大きく、最重度・重度・中等度・軽度にIQの数値によって分けられます。
はっきりとした原因は解明されていまさえんが、病理的要因・生理的要因・環境要因の3つがあるといわれています。病理的要因の中には胎児期の感染症によるものや中毒症によるもの、外傷によるものや染色体異常によるものなどがあります。
中程度以上の知的障害であれば、3歳児健診など幼少期の健診で分かることが多く、軽度であれば学年が上になっていき、学校の勉強が難しくなっていく中で判明することもあります。
また、知的障害のある人の中には自閉症やADHDを併発している場合もあります。
知的障害だけを調べることは難しい
NIPTで調べることができる染色体異常症の基本は21、18、13トリソミーで、施設によってはほかの病気も調べることができるところもあります。
これらの染色体異常症の症状・特徴の中に知的障害が含まれているので、「この疾患がある≒知的障害がある」ということは分かります。しかし、染色体異常症がなくても知的障害をもっている人も大勢います。そのため、知的障害があるかどうかのみをNIPTの検査で調べることは難しいということができます。
知的障害に対する支援
知的障害そのものを改善する・治すというのは難しいですが、早い段階で適切な療育を受けることによって予後は改善すると考えられています。
そのため、早い段階で気づくことができるようにしっかりと子供の成長を見ておくこと、療育を受けることを早めに検討することが大切です。