NIPTは出生前診断の中の1つで採血を行うだけで胎児の染色体異常の可能性を調べることができます。母子にリスクを伴わない非確定検査の中ではとくに精度が高い検査です。NIPTだけではなく出生前診断を受けるかどうかの選択は非常に難しく誰もが悩む問題です。
では、妊婦やその家族はどのようなときにNIPTを受けずに後悔したと感じるのでしょうか。
妊娠期間ずっと胎児の疾患がないか不安であった場合
ダウン症などに染色体異常症は高齢出産であればあるほど確率が高くなるといわれていますが、若いからといって疾患を抱える子供が生まれる可能性がないわけではありません。
胎児に疾患がないかは誰もが妊娠中に不安に感じることです。
NIPTは確定診断ではなく、またすべての胎児の疾患が見つかるわけではありません。ですが、妊娠中にNIPTを受け陰性であることを確認することによってその不安が軽減され、妊娠中の精神面の負担が軽くなることがあります。
そのためNIPTなどの首相前診断を受けずに、妊娠中ずっと胎児の疾患がないかという不安を抱えながら妊娠生活を過ごすこととなったという人は受けておけばよかったと思うことが多いようです。
疾患をもった子を受け入れるのに時間がかかった
出産をしていきなり赤ちゃんに病気があることが分かった場合、病気についての知識も乏しくどのようなサポートを受けていけばよいのか産まれてから調べていかなければなりません。
またNIPTを行って胎児に疾患があることがあった場合には、検査の結果が出てから出産までの期間にそのことを受け入れるための時間をもつことができます。しかし出産してから疾患があることが分かった場合には受け入れるための時間をもつことが難しくなることも考えられます。
産まれてくる赤ちゃんを少しでも良い状態で迎える準備をしておきたいという妊婦やその家族にとってNIPTを行うことは意義があると考いうことができます。
普及に課題が多いNIPT
NIPTをはじめとする出生前診断は検査の結果によって人口妊娠中絶をするという選択をする夫婦もいるのが現実で、障害のある子の命の選択をおこなうことにつながるなど倫理的問題を含んでいます。
そのためNIPTなどの出生前診断を簡単に勧めることも難しく、妊婦健診を行う産婦人科医が妊婦に出生前診断についての情報提供を積極的に行う必要はないとされているため、そのような検査があることも知らされないことも多いです。
NIPTを行っている病院では検査を行う前にまずは専門的なカウンセリングを受けることによって検査の意味やどのような選択があるかなどを知ることができます。現在はインターネットで様々な情報が溢れておりなかなか自分たちだけで判断することが難しくなっています。
NIPTを行っている病院では事前にカウンセリングを受けることができる病院が多く、認可施設では専門のカウンセラーが在籍しています。
カウンセリングのみ受けて受けないという選択をすることもできます。しっかりと正しい情報を知ったうえで検査を受けるかどうかの選択ができるように、受けるかどうか悩んでいる人やNIPTの検査についてまずは詳しく知りたい、あとで後悔したくないという人はまずはカウンセリングに行ってみることをお勧めします。