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NIPTはいつから行われているの?

NIPTは新型出生前診断とも呼ばれ、出生前診断の中でも新しい出生前診断となっています。出生前診断の中には羊水検査や絨毛検査など早産や流産・死産のリスクがあるものもありますが、NIPTは採血を行うだけで検査ができるので母子ともに負担やリスクがなく出生前診断を受けることができます。 ではNIPTはいつから行われている検査なのでしょうか?

NIPTが日本で実施されるようになるまで

NIPTは母体の血液中に含まれる胎児のDNAを解析しておこなう検査で、母体の血液に胎児のDNAが含まれることが1997年に発見されました。その後2011年にアメリカでNIPTが始まり、日本では2013年に導入されています。

日本の出生前診断の歴史はまず1960年代に羊水検査が導入され、それが出生前診断の始まりであるといわれています。その後1970年代に超音波検査、1990年代に母体血清マーカー検査と絨毛検査が導入されました。

侵襲的・確定的検査である羊水検査は2014年まで実施件数が増加していましたが、精度が高いNIPTが導入されて広まってきたことによって2015年から羊水検査の実施件数は徐々に減少しています。これによって羊水検査によって起こりうる早産・流産・死産を防ぐことにもつながると考えられます。

NIPTを取り巻く現状

NIPTは簡単に精度が高い検査をリスク無く受けることができますが、NIPTの検査が普及するためにはいくつかの課題があります。

日本医学会はNIPTを行うことができる認定施設を定めていますが、NIPT検査を受けたいという妊婦の数に対して認定施設の数が足りていないのが現状です。

NIPT導入時は15施設でしか行われていませんでしたが2020年には109施設まで増加しています。ですが未だに認可施設がない都道府県も存在しており、現在は認可施設で行われている検査数よりも無認可施設で行われている検査数の方が多いともいわれています。

また、認可施設では13・18・21トリソミーのみの検査を行っています。しかし、現在の医療技術ではほかの染色体異常症や微小欠失症なども調べることができます。非認可施設の中には調べることができる全ての疾患を検査できる病院もあります。また非認可施設は年齢制限を設けていない等検査を受けるための条件が厳しくないため、誰でも受けられるという特徴もあります。

このように認可施設と非認可施設で方針が違ったりとNIPTは導入されてから年数が浅いこともあって、体制が整いきれていない状態であるといわれています。