NIPTは新型出生前診断とも呼ばれ、採血をするだけで胎児の染色体異常症について知ることができる検査です。
NIPTの検査を行って分かる病気は施設によって異なります。基本的には21、18、13トリソミーの3つの疾患のみを調べる検査ですが、病院によってはそれ以外の性染色体異常も調べることができるとしているところもあります。
では、NIPTを受けて分かる性染色体異常にはどのようなものがあるのでしょうか。
NIPTで分かる性染色体異常
NIPTで分かる性染色体異常にはクラインフェルター症候群やターナー症候群などがあります。
クラインフェルター症候群は男児にのみ起こる病気で、母親から余分なX染色体を引き継ぐことで起こります。
大体約500~1000人に1人の割合で発生するといわれていますが、すぐにわかるような大きな障害があるわけではないため、診断されずに自分がその病気であるということを知らないまま成長するというケースも少なくありません。
症状は人によって差がありますが、知能が正常かやや低めで、言語能力に問題がみられたり、計画を立てて行動することが苦手であるという場合があります。手足が長く、身長が高い人が多いといわれています。
また、無精子症や乏精子症を引き起こすことが多いため、自分がクラインフェルター症候群であるということを、不妊治療をきっかけに知るという場合もあります。
ターナー症候群は女児にのみ起こる病気で、2本あるX染色体のうちの1本が一部あるいはすべて欠けてしまうことによって起こります。
約1000人に1人の割合で発生するといわれています。低身長や卵巣機能不全や不妊の症状などがみられます。
多動性障害や学習障害がみられることもありますが、症状には個人差があります。
日本医学会は認可していない項目
NIPTの検査で性染色体異常を調べることを日本医学会は認可していません。そのため、非認可施設の一部でしか性染色体異常を調べることはできません。
日本医学会はNIPTで13、18、21トリソミーの疾患以外の疾患については現時点で十分に確立されていないとしています。そのため、性染色体異常についてNIPTの検査で調べることについての意見には賛否両論、様々なものがあります。そのようなこともふまえたうえで性染色体異常の検査を受けるかどうかを考える必要があります。