NIPTは新型出生前診断とも呼ばれ、採血を行うことによって胎児の疾患について調べることができる検査です。大体妊娠10週頃から実施でき、母子のリスク・負担もなく精度が高い結果を得られる検査としても知られています。
日本では晩婚化や女性の社会進出が増えたことによって高齢出産の数は増えています。珍しいことではありません。
高齢出産のうち4人に1人がNIPTをはじめとする出生前診断を受けているといわれており、出生前診断を希望する人の割合は増加傾向にあります。
では、高齢出産の人はNIPTを受けるべきなのでしょうか?
受けるべきという考え方は一般的ではない
NIPTをはじめとする出生前診断について、受けるべきという考え方や施設で出生前検査を勧めるようなカウンセリングを行うことは推奨されていません。あくまで中立な情報提供、サポートを行う必要があるとされています。
NIPTを行っている施設の中には商業的な側面が強い施設もあり、検査を勧めるようなカウンセリングであったりホームページの内容である場合があるので、惑わされないように注意しなければなりません。
ただNIPTや出生前診断には倫理的社会的課題も多いこともあって妊婦が情報を得ることができる機械が極めて少なく、正しい情報を得ることも難しい中で自己決定を促されるばかりではなかなか決めるのが難しい問題です。このことから今後は母子手帳交付時に自治体で情報提供されるようになっていくという指針が出されています。
不安を軽減するために受けるという考え方
NIPTは精度が高いといわれていますが確定診断ではなく、NIPTを受けたからといってすべての疾患が分かるわけではありません。しかし、NIPTを受けて陰性であることを確認することで妊娠中の精神面への負担が軽減するという人は多く、少しでも不安を軽減したいからNIPTを受けることを検討する人も少なくありません。
35歳以上の妊婦が出産することを高齢出産といい、ダウン症など染色体異常症が起こる確率は妊婦の年齢が高くなるにつれて高くなります。
そのため高齢出産をする妊婦の多くが胎児の疾患について不安を抱えています。受けることを批判する意見も見られますが胎児について知りたいと妊婦やその家族が思うことは間違いではなく、胎児について知る権利があります。